人生で一番おいしかったしゃぶしゃぶ

しゃぶしゃぶ2仕事を辞めるとき、しゃぶしゃぶの食べ放題をやっている店で送別会をひらいてもらいました。

全員が初めての店で「元がとれるかな」といいながらわいわい食べ始めましたが、予想外においしく、なんだかみんな夢中になって食べてしまいました。

焼肉と違って野菜もおいしく、肉半分、野菜半分、という割合で食べていたように思います。

冬場のことですので水菜がシャキシャキとしておいしかったです。

私は送別会の主役だったので、今日ばかりはと、先輩たちがいろいろよそってくれました。

そのうちに

「おいしい店だからまた来よう」

という話になったのですが、ビールのまわってきた先輩が

「その時にはもうアンタは辞めておらへんのやなあ、寂しいなあ」

と泣き出したのです。

すると他の人もつられて泣きだし、それまでの楽しい雰囲気が一気にしんみりしてしまいました。

そのとき店員さんがあらわれました。

「シメのうどんをお持ちしました」

この一言でまたガラリと場の空気が戻りました。

涙はうどんにもっていかれ、楽しくおいしくうどんでシメることができました。

その後何度もしゃぶしゃぶを食べる機会はありましたが、先輩たちの涙をみたあの夜の水菜の味は忘れることができません。

人生で一番おいしいしゃぶしゃぶでした。